「生誕110年 片岡球子 展」
100THE NATIONAL MUSEUM OF MODERN ART TOKYO
彼女の生き様に、思いのほか胸を打たれてしまった。
ドスンという音が胸から腹に落ちた。
迫力ある色と線にただやられたのではない。
生き様だ。
若年期の絵もよいが、
50過ぎて美術教師を辞めた頃。
「ゲテモノの絵」と悪評を
ささやかれてからというものの、
何か吹っ切れた感が、
彼女の魅力を倍増している感じだった。
齢80少し前、裸婦画シリーズを手掛ける。
その絵のどれもが、年齢を感じさせない。
逆に、高齢期の作品のほうがどこか若さを感じるほど。
ふっきれた力強い線は、
肩のチカラが抜けた艶かしい曲線に。
その曲線は女々しくない。
年齢だけでない。
性別をも超えた作品は、
生き様を映し出すのだと思った。
ぶるるとした。
解説のなかで、日本画の巨匠 小林古径は
「ゲテモノと本物は、紙一重の差」と球子に言ったそうだ。
ぶるるとした理由は、そこにあるのかもしれない。
東京の国立近代美術館では会期満了したが、
次いで6.12-7.26(愛知県美術館)巡回展が行われるようだ。
(2015.03 「生誕110年 片岡球子 展 国立近代美術館)
ちなみにこの写真は…。
性別を超越したギリシア彫刻。
上半身女性、下半身男性。
超越。
写真:『眠れるヘルマプロディートス』ギリシャ彫刻(複製) ウフィッツ美術館にて撮影 2015.03.