参加していた公募展「着想は眠らない 第8回」が終了しました。
場所は、蓼科の森の中にあるギャラリー。
第1回から参加しているこの展。夏が明けたこの頃は、長期イタリア滞在から戻り、多々の制作が積み重なっている頃なのですが、この展覧会には、どうにしてもこうにしても着想勝負で参加しています。通常の陶芸道から脱輪するくらいの心持ちで。
ところで、この森には、5年前に設置したいくつかの「陶のおめんちゃん」が、積雪や氷結、台風などの暴風雨に耐えながら棲んでいます。四季の彩の変化や、森の倒木や落雷をじっと見ているだけでなく、この展覧会に参加する大勢のアーティストの作品を見守っているような気がします。
(土鍋コッチョリーノの耐熱性、耐冷性の実験でもあります)
うつわという「実用」の創作には、楽しみと喜びの中に、それなりの責任というプレッシャーが知らぬうちに山積します。そこには、それをやっつけようとする無駄なプライドが宿りがちで、その作用は、創作の筋肉を固め、発想の循環が悪くなるような気配を感じます。
年1回、この公募展への参加は開放創作。コリをほぐし、循環をよくするだけでなく、うつわ制作の発想へとつながるのです。だから値段はつけていません。こわれてもいいから価値をつけません。
今年の作品は「それでも地球のかけらはまわる」で、人間が「はいっ!」と手を叩けば動き、木の枝で調教しないとすぐサボるような動くおもちゃをつくりました。でもね、本当は逆で、人間なんておちょくられて生きている。地球をはじめ、なにもかも人間の思うようにいうことなんてきかないのです。
「着想は眠らない 第8回」 テーマ:ちきゅう 2020.10.09-11.03 金土日・祝日開催 11:00-17:00 ※感染症防止のため完全予約制 ※最終日14:00アーティストトーク(関係者のみ) |