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ポレンタ(LA POLENTA)
北イタリアの寒冷な山岳地で食されてきたポレンタ。鍋の水にトウモロコシの粉を入れ加熱しながら練りあげる。味は塩。好みでバターなど加えて。焦げないように40分ほど、とにかく練るねるねり上げる。充分に加熱しないと穀物くささが残るのと、粥のような粘り気は時間をかけないと出ない。
シンプル料理だからこそシンプルな行為(混ぜるとか練る)に誠意を注ぐ。本当は並行して料理をしたいものだが、そうもいかないほど労力が要るので、調理中はあきらめて北イタリアの冬を思い出すことにしている。最終段階は腕がいたくなるほど重い。このあたりで「ANCORA(アンコーラ!」(まだまだ!)と激を飛ばす北イタリア出身の友の声が聴こえてくる。
わが家でこの日つくったポレンタは、容器に入れて一晩寝かし、翌日の来客を待った。食す直前オーブンで温めベルギー料理「カルボナード・フラマンド」(牛肉のビール煮)に添えて食した。BUONISSIMO!
北イタリアのカルディナ渓谷に囲まれた高地トレンティーノの「オルティゼイ」という町を訪れた時の写真。サルメリア(ハム・ソーセージ、チーズ、ワイン等を取り扱う店)に並ぶ数々のポレンタ。
カネデルリ(独:クネーデル)という肉団子のような料理も発見!その昔は、パンと牛乳と玉ねぎとスパイスだけで丸めた農民料理だったらしいが、今ではスペックやチーズ、タマゴなど入っていて日本人のわたしには逆に充分リッチ。
カナデルリもポレンタも、歴史的に古く北イタリアの農民料理の代表なのだ。
友人カルロの運転でヴェネト州の「ペダヴェーナ」という町のビッラレリア(地ビールと伝統料理レストラン)にも連れて行ってもらった。イタリアでは、ピッツェリア以外、ほとんどの食事にはワインだが、さすがドイツ・オーストリアに近いだけあってビールがおいしい。そして料理にビールが合う!
LA BIRRERIA PEDAVENA
http://labirreriapedavena.com/
(左:ポレンタと煮込み)(右:スープ仕立てのカネデルリ)
やはり本場のポレンタやカナデルリの味はすばらしい。ポレンタはとろ~りとしていて夢のような味。シンプルで技なんて何も要らない料理と思うものこそ、やはり素材や伝統という智慧がキーとなるのだろう。どの料理もとても満足感あるものだった。
(今は全く聞かないけどね!)
北イタリアは南イタリアの人たちを「マッケローニ」(マカロニ野郎!)、南イタリアは北イタリア人たちを「ポレントーネ」(ポレ ンタ食いめ!)と罵ったそうだ。そんなこと今は聞いたことないけどね、郷土料理で喩えているのがほほえましい!
「ポレントーネ」の面白い記事、見つけました。もしお時間あらば。
ポレンタ専門ファーストフード店PolentOne「ポレントーネ」なんていうのもある。
(Oneでエスプリ利かせてる!)