またまた小川のおいしい野草料理のご紹介。4月の声をきくとイタドリ(別名スイバ)が土から顔を出す。1ヶ月ほどで勢力をあらわにし川の水を覆い隠すほどの成長をみせる彼らは、山菜ではなく、いわゆる生命力の強い雑草なのでご存知なかたも多いでしょう。どんな野草もそうであるように春の土から顔を出すころは初々しい柔らかさがあるのに、人間も植物も自身のために光をあび出したらたちまちお硬くなってしまうのかしら。
茎は水分たっぷりで、その味はうひょっと酸っぱくて、ルバーブに似た味。成長するに従いたくましく太くなり食用にはごめんという味になるから、茎も葉も若いものがいい。葉は天ぷらにするのも良いし、写真のように朴葉(ほおば)のように魚や肉を巻いて調理するのも美味。
Cocciorinoの土鍋は蒸し料理にも便利。
土鍋半分まで水を入れせいろを乗せるだけ。
食卓にそのまま運ぶこともできます。
友と足をはこんだフレンチレストラン「シェ・オリビエ」でいただいた「桜鯛のオゼイユ巻」。フランス人のマダムにたずねたところ「オゼイユはハーブとしてフランスでもよく使いますよ」と教えてくださり、それがイタドリ(スイバ)であることを知る。葉の形など同種同族でも多種あるようで。今回は、オシャレさにはかけ離れるけれど近所の小川の野草イタドリ(スイバ)で再現。
使ったお魚も、近所のスーパーで手に入ったお手頃価格な「カジキマグロ」。レストランでいただいた逸品はポワレ(蒸し焼き)かな?それを我流アジアンな感じで、いつもの「土鍋+せいろ」でヘルシーに蒸してみました。ソースも濃厚な野菜仕立てのバターソースでなく、家にあった野菜(ニンジンとカブ)の豆乳ソースにアレンジして。
わずかな時間でつくる日常の飾り気ない食事が好きで日々満足しているし、もっといえば雑多で庶民的な食文化も好き。しかしながら、時おり洗練された味や盛りつけを楽しむことは、美術館やギャラリーでの作品鑑賞のようなもので、Cocciorinoの普段使いの器の制作に刺激を与え、普段の簡単な料理のヒントになるのです。
1.カジキマグロに塩をふり白葡萄酒に浸す。
2.イタドリの葉でくるっと巻き、せいろに並べ蒸す。
<野菜ソースのつくりかた>
カブとニンジンをサッと蒸し、豆乳、オリーブオイル、塩こしょうを入れフードプロセッサーでソースに仕立てる。濃くはオリーブオイルの量で、隠し味に白ビネガーを入れて調整する。