-タネさんワークショップ-
ことばの発達、発達性読み書き障がいのお子さんが
学校の後や、お休みの日に集まる
すてきな場所があるのをご存知だろうか。
NPO法人 発達サポートネットのSOOFさんに
お声をかけていただいた。
思いつきのようなイベントを
入れるのだけは避けようと、
丁寧に打ち合わせをし、
第一回のワークショップにこぎつけた。
-不得意こそ個性-
子どもにかぎらず、
大人のわたしもそうだが、
生きるものすべては
「不得意」とするものを持っている。
「不得意」があってこそ、
「得意」が存在する。
一列に並ぶ社会生活の中で、
学習や生活する上で、
その「不得意」を じゃまっけとする
社会が一部あり、
窮屈な思いをしている
子どもたち(大人たちも)がいる。
そんなお話しも、先生やお母さんたちとする。
どちらも同じくらい価値のある個性なのにな。
-アートはひとりの世界-
社交的な人間だと思われているわたしだが、
実はひとりぼっちの時間も大好き。
逆にそれがないと、しぼんでいく。
だからこそ、やってみたいことがあった。
ワークショップ=みんなでわいわい。
それとは逆の発想で進めたいと思った。
まずは一人で静かな海で泳ごう。
泳ぎが少し面白くなったころ、
大きな海にゆっくり出てみよう。
きっと誰かに話したくなる、
誰かに見せたくなる。
砂浜でみんなを見ていたっていい。
アートは「ひとりの世界」。
ひとりじめや、ひとりぼっちが許される。
想像や創造はあくまでも「ひとり」。
「ひとりの世界」は海のようで
ずっと穏やかであるとは限らない。
自分の呼吸も聴こえなくなるとき、
ときにうるさい風がチカラになる。
-今を生きる子ども 今日という本番-
スタッフとの打ち合わせで、
個々の子どもの様子なども教えていただいた。
驚いたのは、ワークショップの介添えをしてくださる
学生さんやプロのスタッフ数が
想像以上だったこと。(子ども2~3人に1名)
当日の朝、みんなで輪になってミーティング。
何十人いただろう…。
言語聴覚士の先生が担当者を決め、
子どもの特徴をひとりずつ説明する。
それを真剣にメモする姿。
「真剣に」「本番を」という想いが溢れている。
そんな姿をみて、大切な言葉をを思い出した。
我が子の幼稚園の先生が、
わたしたち親に放った言葉。
だいぶ前のことなのに、物事を進めるうえで、
いつもわたしの心の中に鳴り響いている。
今を生きる子どもにとって
「ためす」(失敗したから次は)という
幼児プログラムがあってはならない。
その子にとってはそのときが最初で最後。
いつも「本番」でなくてはならない。
「いまを生きる」のだから。
-「虹が出るとき」-
ワークショップの内容は割愛するが、
お母さんたちにも見てもらえるような
レポートを残した。
ワークショップ終了後、
目の前の海の上に浮かんだ
大きな虹をみんなで見たことも忘れない。
会報誌に寄稿させていただいた
感想文は以下の通り。
SOOFのみなさま、ありがとうございました。
またお会いできる日まで!
「虹が出るとき」
“みんなで一緒になにかしよう”って、
太陽のように明るい言葉を
ためらいもなく 強制する社会があります。
気分がいいときは、
それもいいかなと
思えるかもしれないけれど、
疲れていたり気分が落ち込んでいる時は、
いらいらするし、哀しくなったりします。
ケンカしたくなるし、泣きたくもなるし、
飛び出て行きたいと思うでしょう。
それをただ「否定」する社会は、
太陽の日ざしで干からびるだけだと思うのです。
今あの子の気持ちは曇り空かな?
雨降りなのかな?と、考えられる社会であれば…。
「すーふ」でのイベントも、
そんな考えのもとで行いたいと思いました。
雨が降ったら雨宿りしたいと思うでしょう。
そこには自然と人が集まり、
ふと微笑みあったり、声をかけあったり。
なぜなら同じ気持ちを持つ人だからです。
「すーふ」はそんな場所であると思います。
雨宿りしていれば、いつかまた太陽が顔を出します。
その時、みんなが空を見上げるほど
魅力的な『虹』が出るのです。
形は消えてしまうけれど、強く心に残るもの…。
それが自信というものだと思うのです。
NPO法人 発達サポートネット
「バオバブの樹」 会報誌に寄せて
我妻珠美
最後に。学生ボランティアスタッフさんたちが、タネさんで遊んでいる!
こういう姿も本当にう嬉しい。
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